第22回よくわかる実装技術講座
〜オープンラボ 信州大学工学部「次世代半導体システム教育研究センター」〜
長野実装フォーラムと長野県産業振興機構(NICE)が主催する「第22回よくわかる実装技術講座」が開催されました。今回のテーマは、信州大学工学部が中心となり、地域の半導体人材育成と先端実装技術の社会実装を目指し、2024年12月に開設した「次世代半導体システム教育研究センター」の取り組み、および2026年6月に設立された「信州半導体高度専門人材育成コンソーシアム」の活動と最先端研究を広く紹介するものです。大学が目指す教育研究方針を解説する講演と、実際の研究現場を見学するオープンラボ、さらに県内連携企業がリードする最先端の実装技術ソリューションの紹介が行われました。
1 日 時
2026年 7月16日(木)13:00~17:00(交流会 17:15~)
2 場 所
UFO長野(長野市ものづくり支援センター) 5階 産学行交流室(信州大学工学部内:長野市若里4-17-1)
3 内 容
13:00 開会挨拶(長野実装フォーラム 代表 若林信一 氏)
13:10 講演1:「次世代半導体システム教育研究センター」と「信州半導体高度専門人材育成コンソーシアム」の紹介
講師:信州大学副学長・工学部長 香山 瑞恵 氏
13:25 講演2:センター、コンソーシアムの運営方針とチップ設計、実装などの実績報告
講師:次世代半導体システム教育研究センター長 宮地 幸祐 氏
14:10 次世代半導体システム教育研究センター及び関連研究室の見学(オープンラボ)
15:10 休憩
15:15 講演3:県内企業との回路・実装設計事例紹介:生体センサ、社会インフラスマートメータの設計事例から
講師:信州大学工学部 電子情報システム工学科 准教授 上口 光 氏
16:00 講演4:センサーモジュールなどの先端実装の紹介 [116]
講師:コネクテックジャパン株式会社 専務取締役 下石坂 望 氏
16:45 コメント&ディスカッション
17:00 閉会
17:15 交流会(場所:信州大学生活協同組合 工学部食堂)
参加者数
合計:44名
一般参加者:24名
講師・理事・ゲスト・関係者:20名
交流会参加者:14名
各講演およびオープンラボの報告
1.『「次世代半導体システム教育研究センター」と「信州半導体高度専門人材育成コンソーシアム」の紹介』
講師:信州大学副学長・工学部長 香山 瑞恵 氏
信州大学工学部における分野横断・融合の人材育成を推進する新生工学部「1+9」の取り組みが紹介されました。工学部は過去5年間、毎年平均80名以上の卒業生を全国の半導体関連企業に就職させている確かな実績があり、これをもとに、実践的な教育プログラムや半導体先端技術の共同研究を目的とする「次世代半導体システム教育研究センター」と、2026年6月に設立された「信州半導体高度専門人材育成コンソーシアム」が発足しました。講義提供やインターンシップを通じて地域産業へ貢献する体制が詳しく報告されました。 参加者アンケートでは、「信州大学工学部の現在の改組や状況が良くわかった」「大学が後工程(パッケージング・実装)に強く、地域の人材輩出に繋がることを実感した」といった声が寄せられ、コンソーシアムの設立に対する前向きな期待と協力姿勢が示されました。
2.『センター、コンソーシアムの運営方針とチップ設計、実装などの実績報告』
講師:次世代半導体システム教育研究センター長 宮地 幸祐 氏
センターにおける、物理解析を横断的に実践できる「マルチフィジックス人材」の育成方針が示されました。実績紹介では、パッケージ基板に磁性コアを埋め込み、スイッチング周波数10MHz超で動作する「磁性コアインダクタ三次元集積降圧コンバータ」や、マイクロ波無線給電システム向けに世界最速45.2µsのMPPT応答時間を達成し世界最高受電効率64.4%を記録した「予測回路搭載DC-DCコンバータ(ISSCC 2024採択)」などの画期的な最先端電源技術が解説されました 。 参加者からは、学生がシャトルを活用し設計から評価までの一連のサイクルを自ら経験するハイレベルな教育体制に期待が寄せられました。また、後工程の「集積」の奥深さと、技術の実用的な研究流用に高い感銘を覚えたとの評価がありました。
3.『次世代半導体システム教育研究センター及び関連研究室の見学(オープンラボ)』
担当:信州大学工学部 センター教員・学生の皆様
講座の中盤、参加者を対象に「次世代半導体システム教育研究センター」および集積電源システム研究室などの実際の研究現場を巡るオープンラボが開催されました。学生たちが最先端の測定器具や試作設備を用いて、実用化を見据えて活発に研究に励むリアルな姿が紹介されました。 アンケートでは、「大学の研究室を初めて見学でき、非常に有意義だった」「研究ステップが整っており、それらが研究にしっかり流用されていることに感銘を受けた」など、学生たちの真剣な取り組み姿勢と研究環境の質の高さに、多くの参加者が刺激と感銘を受けたとの感想が寄せられました。
4.『県内企業との回路・実装設計事例紹介:生体センサ、社会インフラスマートメータの設計事例から』
講師:信州大学工学部 電子情報システム工学科 准教授 上口 光 氏
長野県内企業との具体的な共同研究・実装設計事例として、2つの最先端デバイス開発が紹介されました。1つ目は、120Vを要したブロワ駆動を低電圧(5V/10V等)で最適制御可能にし、温熱性や精神性の発汗特性に応じて空気流量を切り替える「ウェアラブル発汗計」の開発です。2つ目は、測定ばらつき(標準偏差)をおよそ1/2に抑え、メンテナンスフリーを実現した「超音波式スマート水量計」の開発です。 アンケート回答では、大学の基礎研究が企業との具体的な共同開発を経て、実用化レベルにまで高められ、既に模擬皮膚実験などで実証が開始されているプロセスを知り、参考になったという声が寄せられました。
5.『センサーモジュールなどの先端実装の紹介』
講師:コネクテックジャパン株式会社 専務取締役 下石坂 望 氏
多品種変量・カスタム志向で研究開発から少量試作までをカバーする「実装受託開発(OSRDA)」および「CADN(Chiplet Ameba Development Network)」のビジネスモデルが紹介されました。同社独自の「MONSTER PAC」(導電ペーストによる80℃低温・低荷重実装技術)を活用し、熱脆弱な磁気センサ、超音波エコー用CMUTセンサなどのタイリング実装を行い、ダメージレスで高感度・高密度のセンサモジュールを具現化した多数の課題解決事例が解説されました。 参加者からは、「長野近隣にこれほど試作開発技術をリードしている優れた企業があることを初めて知った」「一社単独ではなく、国内の多様な技術を繋ぐ協業力(15社協業など)に感動した。ぜひ今後実装の課題について相談したい」という極めて高い評価と感謝が寄せられました。
総括
本講座は、信州大学の「地域と共に歩む」という産学官・社会連携の姿勢、そして実践的な教育体制と高い研究開発力が余すことなく示されたフォーラムとなりました。アンケート結果においても、「毎回出席したい(53.8%)」「出来るだけ出席したい(30.8%)」を合わせて8割以上を占め、フォーラムに対する高い満足度が確認されました。
講義終了後の交流会では、多くの参加者が残って熱心な意見交換を行い、スペシャルゲストの香山工学部長も交えて実装技術の未来を見据えた活発な交流とネットワーク作りが図られました。今後は「AI半導体に留まらず、県内のデータセンター動向やそれに伴う実装上の課題」など、さらに地域産業のニーズに密着したテーマを取り上げてほしいとの期待も寄せられており、今後の活動に向けた力強い足がかりとなりました。











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